AutoCrypt KeyLink
自動車向け鍵管理ソリューション
グローバルでの自動車セキュリティ規制の義務化に伴い、製造工程におけるセキュリティ鍵管理は避けて通れない課題となっています。開発から量産に至るまでセキュリティポリシーを適用し、各国の規制に対応するためには、実績のある自動車向け鍵管理ソリューションの導入が不可欠です。自動車用鍵・ポリシー管理とは、セキュリティ鍵のライフサイクルを中央で一元制御し、生産ライン(EOL)設備を通じて個々のECUへ注入する技術です。そのため、OEMとサプライヤーのシステムを連携させ、製造エコシステム全体でセキュリティを確保することが重要になります。
AutoCrypt KeyLinkは、中央制御を担うKeyLink-Serverと現場拠点のKeyLink-Edgeを連携させ、End-to-Endのセキュアなワークフローを提供します。これにより、車両の設計・生産・走行に至る全工程でセキュリティ鍵とポリシーの発行・注入・制御を一元的に行い、グローバルセキュリティ規格への準拠と量産工程の信頼性向上に貢献します。
特徴
ミドルウェア基盤管理体制
OEM中央サーバーおよびサプライヤーの生産設備に対する物理的な変更を最小限に抑えながら、ソフトウェアベースでの構成が可能です。
全ライフサイクルカバー
鍵の生成から廃棄まで、主要な管理段階ごとに機能を提供します。鍵のの状態や処理履歴の追跡も可能です。
柔軟なシステム連携
生産設備、KMS、PKIなど、鍵管理に必要な外部システムと連携し、柔軟な運用プロセスを構成できます。
完全性検証
鍵注入の完全性を検証すると同時に作業履歴を記録し、体系的な履歴管理を支援します。
構成
車両ライフサイクル全工程における安全な鍵注入および証明書配布
AutoCrypt KeyLinkは車両の設計から生産、走行に至る全工程にわたり、セキュリティ鍵とポリシーを発行・管理する統合ソリューションです。システムは中央管理を担うKeyLink-Serverと、生産現場の制御を担うKeyLink-Edgeで構成されます。
AutoCrypt KeyLink-Server
OEMおよびサプライヤーの中央セキュリティインフラに設置され、キーの生成・保管・更新・破棄など、ライフサイクル全体を中央で管理・制御するセキュリティサーバーです。
・セキュリティインフラのミドルウェア機能:認証局(CA)と車両・ECU生産現場を接続し、インフラ全体のセキュリティを確保します。
・セキュリティポリシー設定支援:OEM内のプロジェクトごとに、鍵および証明書のポリシーを設定・カスタマイズできるよう支援します。
・mTLS通信対応:多様なOEM・サプライヤーシステム間の連携時に、安全なmTLS通信を提供します。
AutoCrypt KeyLink-Edge
OEMまたはサプライヤーの車両・ECU生産現場(EOL)設備と連携し、鍵およびポリシーを伝達するとともにファームウェア署名を行うゲートウェイ製品です。
・ECU単位の鍵生成・管理:OEMから提供されたマスターキーを基に、車両/ECU単位の個別鍵を導出します。サプライヤー側でECUごとの個別鍵を生成することも可能です。
・鍵、証明書の注入:生産ライン(EOL)設備と連携し、OEM・サプライヤーそれぞれが生成した鍵および証明書を個々のECUへ注入します。
・ファームウェア署名支援:ECUファームウェアの署名に対応し、サプライヤーごとの環境に応じて署名領域やアルゴリズムのカスタマイズが可能です。
WHY AUTOCRYPT
・KeyLink-Server
1. OEMのセキュリティインフラとサプライヤーの生産システムを連携するミドルウェア機能
AutoCrypt KeyLink-ServerはOEMのPKI・KMSインフラとサプライヤーの生産システムを連携し、鍵および証明書に関するプロセスを制御します。証明書申請者の本人確認を行う(RA)機能、暗号鍵のライフサイクル管理、ファームウェアの暗号化・復号化、ファイル署名の検証機能を一連のプロセスに統合して提供します。
2. プロジェクト別のポリシー設定と各種標準暗号アルゴリズムへの対応
OEMの要件に応じて、プロジェクト、車種、鍵の用途ごとに個別のポリシーを設定し、一元管理します。共通鍵暗号(AES、ARIA、SEED)および公開鍵暗号(RSA、ECDSA、EdDSA)に加え、さまざまな鍵長をサポートし、規格要件の変更にも柔軟に対応します。
3. マスターキーの体系的な管理と派生鍵の生成・管理
マスターキーを生成し、それを基に下位ECUなどで使用する派生鍵を導出します。また、生成した鍵のメタデータを変更できるほか、プロジェクト、サプライヤー、シリアル番号ごとに情報を照会できるため、鍵資産の追跡および管理が可能になります。
4. 複数方式による完全性検証とサーバー冗長化によるデータ保護
MAC(Message Authentication Code)および証明書を用いた署名検証により、生産データの完全性と生成元の真正性を検証します。また、サーバーの冗長化構成をサポートし、障害発生時にも鍵・証明書のポリシーデータの損失を防ぎ、生産工程の継続性を確保します。
・KeyLink-Edge
1. TEEベースのハードウェアセキュリティ環境による暗号鍵の安全な保管と漏えい防止
Automotive SPICE CL2認証を取得したTEE(Trusted Execution Environment)環境を基盤として、暗号鍵を隔離された領域に格納・管理します。アクセス制御と暗号鍵を秘匿したまま利用する仕組みを採用することにより、REE(Rich Execution Environment)領域への鍵情報の漏えいをアーキテクチャレベルで防止します。また、暗号化・復号などの処理結果を含む必要最小限の情報のみを返すことで、鍵情報の漏えいリスクを低減します。
2. ECU量産工程における鍵・証明書の生成・配布・注入プロセスのリアルタイム監視
ECUの量産工程において、暗号鍵および証明書の生成から初期注入までの全工程をリアルタイムで追跡・管理します。すべての履歴を日時、対象、処理種別ごとに記録し、処理の成否、再試行履歴、承認状況を監視することで、量産ラインの停止リスクを低減します。さらに、体系的な履歴管理により、品質問題への対応に必要なトレーサビリティを確保できます。
3. ファームウェアへの電子署名による偽造・改ざん対策と国際規制対応
開発環境と量産環境で使用する鍵を分離して管理することで、署名鍵の誤用や使い回しを防止します。また、ファームウェアに電子署名を付与することで、データの完全性を確保します。TEE内のセキュアストレージで署名鍵を管理し、自動車サイバーセキュリティに関する国際規格ISO/SAE 21434ならびに国連規則UN-R155・UN-R156への対応を支援します。
4. ECUモデル別の署名履歴管理とOEMポリシーに応じた個別設定
ECUモデルごとにファームウェアの署名履歴を一元管理し、開発・量産工程におけるデータのトレーサビリティを確保します。また、電子署名の対象とするファームウェアの範囲を個別に設定できるため、OEMごとに異なる要求仕様にも柔軟に対応できます。
ハードウェアラインナップ
・KeyLink-Server&KMS
・KeyLink-Edge