OTA(Over The Air)

2023年3月27日

OTA(Over The Air)とは?ソフトウェア定義型自動車(SDV)に欠かせない技術

OTA (Over The Air、以下OTA)はスマートフォンや自動車などのデバイスのソフトウェアをデータ通信のような無線通信で更新、変更するプロセスのことです。OTAはソフトウェア定義型自動車(SDV)にとって欠かせない技術だと言っても過言ではありません。ソフトウェアによって自動車の価値が決まる時代に、タイムリーかつ安全なソフトウェアアップデート・管理が何よりも重要になるでしょう。そのため、世界各国の自動車メーカーはSDV開発やOTA適用に熱心に取り組んでいます。ユーザから取得するデータを活用し、低負荷で高付加価値な機能をタイムリーに提供できることが最大のポイントであるSDV。本記事では、SDVにて重要といわれているOTAについて説明します。   OTAとは何? OTA(Over The Air)とは無線通信を介してソフトウェアなどを更新するためにデータを送受信することを指します。自動車分野においては車両に搭載されたソフトウェアをLTEや5Gといった無線通信を利用して遠隔から修正・追加・削除するアップデートすることに活用可能です。スマートフォンのOSやアプリケーションのアップデートすることと同じ仕組みであり、車両のソフトウェアに不具合が見つかったり、新しい機能が追加されたりした場合にディーラーへ持ち込むことなく、自動でアップデートが可能になります。 OTAとSDVの関係 SDVは従来のハードウェア中心の自動車設計と異なり、ソフトウェアが車両の機能や性能を決定し制御する新しい自動車の形態です。これまでの自動車は各種電子制御ユニット(ECU)が分散して搭載されていましたが、SDVではこれらのECUが統合されて中央の高性能なコンピューターと専用オペレーティングシステム(OS)によって集中管理されるようになります。こうした構造により、車両の機能はソフトウェアによって柔軟に拡張や更新が可能になり、新しい機能の追加や既存機能の改善がリモートで行えるようになります。SDVの最大の特徴はソフトウェアの更新が無線を通じて常に最新の状態に保たれる点にあります。これによりメーカーは車両のライフサイクルを通じて製品価値の維持・向上を継続的に図ることができ、ユーザーは新機能や安全性能の改善を迅速に享受できます。また、SDVは車内エンターテインメントや自動運転機能、運転支援システムなど多岐にわたるソフトウェア制御の拡充を可能にし、車両自体を進化するプラットフォームへと変貌させます。こうした進化に伴い、OTA技術はSDVの普及において不可欠の役割を果たしています。OTAは無線通信を介して車載ソフトウェアを遠隔で更新・管理するしくみであり、ソフトウェアの迅速かつ安全な配信を可能にするものです。   OTA技術で自動車が可能になること OTA技術を活用することにより、単にソフトウェアを更新するだけでなく、自動車をより便利で安全なものへと進化させることができます。 車両の機能と性能の向上 購入時にはなかった新しい機能を追加することが可能です。例えば、自動運転機能の精度を向上させたり、電気自動車のバッテリー管理システムを最適化して走行可能距離を伸ばしたりといった、性能の向上が実現します。 リアルタイム更新 ナビゲーションの地図を常に最新の状態に保つだけでなく、音声認識機能を改善したり、新しいアプリを追加したりすることで、車内での体験をより豊かなものにします。 セキュリティ強化 ソフトウェアの欠陥によるリコールが必要になった場合、OTAを通じて迅速に問題を修正できます。また、新たなハッキングの脅威に対応するためのセキュリティパッチを速やかに配布し、車両を安全に保護します。 車両診断とデータの収集 車両の状態を遠隔で診断し、走行データを収集することで、潜在的な問題を未然に防いだり、運転習慣を分析してより良いサービスを提供するために活用したりすることができます。   OTA技術の課題とセキュリティの重要性 これほど便利なOTA技術ですが、その利便性の裏にはいくつかの課題も存在します。そして、その中でも特に重要視されているのが「セキュリティ」です。 OTA技術が直面する課題 […]
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