車両セキュリティ

2022年10月24日

AutoCrypt IVS、「CyberSecurity Breakthrough Awards」にて「今年の自動車サイバーセキュリティ賞」を受賞

次世代のモビリティ社会の実現に向けた自動運転セキュリティ及びMaaSソリューションを手掛けるアウトクリプト株式会社(AUTOCRYPT Co., Ltd.、https://autocrypt.jp、本社:韓国ソウル、代表取締役 金・義錫、以下アウトクリプト)は、自社車載システムセキュリティソリューション「AutoCrypt IVS」が、「CyberSecurity Breakthrough Awards 2022」にて、今年の自動車サイバーセキュリティ賞を受賞したことをお知らせいたします。 今年第6回を迎える「CyberSecurity Breakthrough Awards」は、サイバーセキュリティ業界をリードする企業をはじめ、製品、技術革新、人々を表彰するアワーズで、情報セキュリティ業界で最も包括的なプログラムとして機能するために設立されました。「AutoCrypt IVS」としては初の受賞となり、自動車ライフサイクル全領域をカバーする唯一のソリューションであることが高く評価されました。 【CyberSecurity Breakthrough Awards マネージング・ディレクター ジェームズ·ジョンソン 評価コメント】 自動車に搭載されるソフトウェアは高度化かつ複雑化し、開発工数は増加の一歩を辿っています。今後自動車メーカーには、ソフトウェア間の連携や相互作用を考慮した設計と統合的な制御が求められることになるでしょう。AutoCrypt IVSは、脅威分析とリスクアセスメント(TARA)をはじめ、セキュリティテスティング、脅威緩和まで、それぞれのセキュリティ対策を一元化しプロセスの簡素化と一貫した運営を支援する、唯一の車載システム向けセキュリティソリューションということから高く評価されました。 受賞企業一覧 ▶ https://cybersecuritybreakthrough.com/2022-winners/ 【アウトクリプト 代表取締役 金・義錫 […]
2022年10月12日

「車載通信プロトコル」とは?CANに潜むセキュリティ脆弱性と対策について

従来の車両セキュリティ対策といえば盗難防止やスマートキー、あるいは直接モジュールを接続して不正操作するなどの物理的な側面が強く、またさして重要視されていなかった傾向がありました。しかしながら、近年の自動車の技術的進歩は目覚ましく、車両に搭載されるECU(Electronic Control Unit)の数は年々増加し、今では「車輪のついたコンピューター」と揶揄されるほど、自動車には多くのコンピューターが搭載されています。 自動車がコンピューター化しているならば、そこには必ずセキュリティ脆弱性が存在します。特に、ECU同士の通信に使われる「車載通信プロトコル」の分野にはセキュリティ上の課題が山積しており、対策を急ぐ必要があります。 そこで本記事では、車載通信プロトコルの種類と役割、抱えているセキュリティ脅威とその対策について詳しく解説していきます。   車載通信プロトコルとは?種類と役割について 車両に搭載されている「走る・曲がる・止まる」などの多くのコア機能は、多くのECU(Electronic Control Unit)によって電子制御されており、ときにその数は100を超えることもあります。これらの複雑な制御機構を協調制御するためには、ECU間で相互通信を行い、必要に応じて即座に情報を共有する必要があります。 車載通信プロトコルとはそういったECU間の情報通信(車載通信)に使用される通信規格のことで、その用途や特徴に応じていくつかの種類が使い分けられています。 CAN(Controller Area Network) CANは国際標準化機構(ISO)によって標準化された通信規格で、それまでメーカーごとに様々に開発されていた通信・制御システムの規格を統一し、大容量かつ高速なデータ通信を実現しました。 CAN通信の最大の特徴は外部からのノイズ耐性や、エラーの検出・修正機能に裏打ちされた高い「信頼性」です。そのため特に、正確な情報伝達が求められるエンジン・クラッチ・プロペラシャフトといったパワートレイン制御や、サスペンション・ブレーキといったシャシー制御などで利用されています。つまり「走る・曲がる・止まる」といった安心・安全を求められる制御機能において、CAN通信は必要不可欠なプロトコルといえます。 また、自動車以外にも飛行機や産業機器など、その高い信頼性が評価され、様々な分野で使用されています。 LIN(Local Interconnect Network) LINはパワーシート・パワーウィンドウ・ドアロックなどのボディー系システムにおいて主に使用されます。CAN通信は高性能である代わりにコストが高く、車載通信のすべてにCAN通信を採用することは最適ではありません。そういった背景から策定されたのがLINプロトコルで、CAN通信ほどの信頼性や高速性を必要としない箇所においては標準的に採用されています。 FlexRay FlexRayは、CANと比較して機能性面で上位に位置づけられる次世代の通信プロトコルとして注目を集めています。主な特徴は次の通りです。 CANの10倍の通信速度 不正通信の遮断 ネットワーク二重化による冗長性の向上 […]
2022年9月13日

知っておくべき「V2X」の今、自動運転との関係と今後の課題について

今、100年に1度とも言われる大変革期を迎えている自動車業界では、特に「自動運転車」の実現に大きな期待が寄せられています。 本記事では、そんな自動運転技術の中核を担う「V2X」について、自動運転との関係や今後の課題に焦点を当てて詳しく解説していきます。   V2Xとは? V2X(Vehicle to Everything)は、「自動車」と「あらゆるモノ」を繋げる無線通信技術の総称です。ITS(Intelligent Transport Systems)の主要な要素の1つとして近年特に注目されており、V2Xの発展は交通安全だけでなく、交通渋滞の解消、環境負荷の低減、快適な移動体験の提供など、多様な分野での活躍が期待されています。 2022年現在、車と接続する「モノ」として想定されているのは以下の4つです。 V2V(Vehicle to Vehicle):自動車と自動車の通信 V2I(Vehicle to Infrastructure):自動車とインフラの通信 V2P(Vehicle to Pedestrian):自動車と歩行者の通信 V2N(Vehicle to Network):自動車とネットワークの通信 交通事故ゼロを実現する「V2X」ってどんな技術?基礎知識から最新の活用事例まで   自動運転の実現とV2X技術の関係 自動運転と聞くと「自動車のセンサーによって障害物を避けながら自立的に走行する」という印象が強いと思います。確かにそれも重要ですが、自動運転車がより安全・快適に走行するためには、自車両に搭載されたセンサーに頼るだけではなく、信号のサイクル情報、死角の車両や歩行者の情報、道路の規制情報、他車両との協調、などの様々な情報を統合的に取得・分析・活用する必要があると考えられています。 […]
2022年8月17日

交通事故ゼロを実現する「V2X」ってどんな技術?基礎知識から最新の活用事例まで

今、100年に1度とも言われる大変革期を迎えている自動車業界では、コネクテッド(Connected)、自動運転(Autonomous)、カーシェアリング(Shared&Services)、電動化(Electric)、いわゆるCASE時代に向けた様々な取り組みで大きな注目を集めています。中でも、「自動車」と「あらゆるモノ」が通信するV2X(Vehicle to Everything)技術を使えば、対車・人・物との交通事故を限りなくゼロに近づけることができると期待されています。 本記事では、そんなV2Xの基礎知識と活用事例、および今後実用化が期待される未来の技術について解説していきます。 V2Xとは?4つの種類と活用事例 V2X(Vehicle to Everything)は、「自動車」と「あらゆるモノ」を繋げる無線通信技術の総称です。ITS(Intelligent Transport Systems)の主要な要素の1つとして近年特に注目されており、V2Xの発展は交通安全だけでなく、交通渋滞の解消、環境負荷の低減、快適な移動体験の提供など、多様な分野での活躍が期待されています。 2022年現在、車と接続する「モノ」として想定されているのは自動車(V2V)、インフラ(V2I)、歩行者(V2P)、ネットワーク(V2N)の4つです。ここからは、V2Xがもたらすメリットを現在実現している技術を中心に分かりやすく解説します。 V2V(自動車と自動車の通信) V2Vは、自動車と自動車が相互に通信を行って情報を共有し、必要に応じた運転支援を実現する技術です。日本ではトヨタ自動車が2015年に世界に先駆けてITS専用周波数を活用した運転支援システム「ITS Connect」を実用化しました。ITS Connectには下記のようなV2Vが組み込まれています。 通信利用型レーダークルーズコントロール 先行車が通信利用型レーダークルーズコントロールに対応している場合に限り、V2Vによって取得した先行車の加減速情報に素早く反応して最適な速度を計算・調整することで、速度や車間距離の変動を抑えた快適な追従走行を可能にします。 緊急車両存在通知 周囲に通信対象車両が存在する場合、その車両が緊急車両のサイレンを検知するとブザー音が鳴り、自車両に対するおよその方向や距離や緊急車の進行方向が表示されます。視界が悪く、騒音でサイレンが聞こえづらい状況などでも、事前に緊急車の存在を知ることができます。 出会い頭注意喚起 周囲に通信対象車両が存在する場合、見通しの悪い交差点に侵入する際に左右が確認しづらい状況でも、車同士の通信により車両の接近をリアルタイムで検知・通知するシステムです。接近車両に気が付かず発信しようとした場合はブザーが鳴り、注意を促すとともに安全に交差点に進入できるようサポートします。 右折時注意喚起 交差点での右折待ちで対向車などによって直進車を確認しづらい状況でも、対向車が通信対象車両であればその存在を通知するシステムです。対向車に気が付かずに発信しようとした場合はブザーが鳴り、注意を促すとともに安全に交差点を右折できるようサポートします。 しかし現在、トヨタ自動車が販売する一部の車種にオプション機能として提供され、V2V対応の車同士でしか通信できないため、様々な機能を提供しているもののまだ広く普及していないのが現実です。今後、V2V 通信の更なる発展により,衝突防止支援や追従走行支援といった高度な安全運転支援は実現できるでしょう。 V2I(自動車とインフラの通信) […]
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