2023年9月1日

V2Gとは?EVを電力インフラとして活用する「V2G」について

温室効果ガスの排出を減らし、全体としてゼロにする「カーボンニュートラル」に日本を含む世界中の国々が参加し、実現に向けて取り組んでいます。カーボンニュートラル実現の影響は様々な産業に及ぼしており、発電においては化石燃料より再生可能エネルギー(太陽光、風力)を利用した発電、自動車産業では電気自動車(EV)の普及及び2035年からガソリン車の新車販売を禁止するなど、様々な産業で積極的に取り組んでいます。   その中でも注目を集めているのは、電力インフラとしてEVを組み込む「V2G」(vehicle-to-grid)です。EVを蓄電池として利用するV2Gは再生可能エネルギーの課題を解決できる技術として注目を集めています。この記事では、V2G概要、活用方法、課題などについて解説いたします。   V2Gとは?V2Hと何が違う? V2Gは電気自動車のバッテリーとスマートグリッド(Grid)を活用し、電力網インフラとして利用する技術のことで、電力会社の電力系統に接続して電気を相互に利用できる技術のことを意味します。 V2Gと似ている概念としてV2Hがあります。V2Hとは「Vehicle to home」の略語で、電気自動車と家庭で電力を充電・給電する技術です。V2Gと似ていますが、電力をやり取りする対象が違います。   V2Gが登場した背景は? カーボンニュートラルを実現するためには、再生可能エネルギーを使った発電は必須になりますが、重大な課題があります。それは「安定的な発電ができない」ということです。自然エネルギー(太陽光、風力)使うため、従来の発電に比べて不安定になってしまうことが解決すべき課題として残っています。その短所を補うためには、発電した電力を保存しておく大容量の「蓄電池」がどうしても必要になります。しかし、大容量の蓄電池を社会インフラとして構築するのは簡単ではなく膨大な資金が必要になるため、導入検討にも相当な時間がかかります。しかし、電気自動車の登場・普及により、社会インフラとして蓄電池を構築するのではなく、電気自動車を蓄電池として利用する動きが始まりました。    V2Gのメリットとは? 1.電力系統の安定化につながる カーボンニュートラルを実現するために、世界中で積極的に再生可能エネルギーの発電を取り入れている状況ですが、従来の発電と比べて安定ではないところが課題として指摘されてきました。電力供給が足りない場合、大規模停電が発生する可能性もありますので、需要量に合わせて電力を発電、送電する必要があるあります。しかし、再生可能エネルギーを利用した発電は天候によって発電量が急変するので、需給のバランスを保つことが難しいです。しかし、EVが電力系統に接続しやり取りできるV2Gを導入する場合、このような課題を解決することができます。具体的に説明しますと、EVを蓄電池として利用し、発電量が多い場合はEVに電力を保存しておき、発電量が少ない場合は系統に接続しEVの余った電力を供給することが可能になります。 2.電力企業とEV所有者にメリット 増える電力需要に対応するためには、より多い電力量を送電する設備が必要になります。その送電インフラ構築には多大な費用が掛かりますが、V2Gを導入することで費用を抑えることができ、柔軟に電力需要に対応することができます。また、EV所有者は電力系統に接続して余った電力を売ることで新しい収入源を作ることができます。 3.緊急時、バックアップ電力として利用 電力網に障害が発生したり、災害などの緊急事態が発生した場合、停電になる可能性も高くなります。しかし、V2Gに参加したEVがあれば、家庭や企業、重要なインフラに電力を供給することが可能になり、停電の備えとして活用することができます。 このように、V2Gは電力企業だけでなく、EV所有者にもメリットがあるといえます。では、日本のV2Gはどこまで来ているのか確認してみましょう。   日本におけるV2G取り組み 1.平成30年のEVアグリゲーションによりV2Gビジネス実証実験*¹ 東京電力ホールディングス株式会社と日立ソリューションズなど7社が参加した実証事業コンソーシアムです。現地実証を行うため、実証サイトを構築してV2G機器の動作検証や制御要件への適合性を確認する実証試験を実施しました。この実証事業では、EVが系統安定化(特にローカル系統安定化)に寄与する可能性が高いと判断し、それに関する制御システムの検証を行いました。今後、本実証試験で得られた成果と課題を踏まえ、オンラインので制御や複数サイトでの同時制御、SOC想定/計画の高度化検討などの実証事業の範囲を広げています。 2.V2G実証プロジェクトの概要について*² […]
2019年5月27日

ペンタセキュリティ、TU-Automotiveで自動車サイバーセキュリティ部門の最優秀企業候補に選定

IoT・クラウド・ブロックチェーンセキュリティ専門企業のペンタセキュリティシステムズ株式会社(日本法人代表取締役社長 陳・貞喜、https://www.pentasecurity.co.jp、以下ペンタセキュリティ、韓国本社、ヒューストン/米国法人)が5月23日、2019 TU-Automotive Awardsの「Best Auto Cybersecurity Product/Solution(最優秀自動車サイバーセキュリティ製品・ソリューション)」部門の最終候補として選定されたことを明らかにした。当部門は、自動車分野において革新的な技術を安全に実装したセキュリティ·ソリューションに授与される。 TU-Automotive は、毎年北米とヨーロッパ、日本など各国で開催される世界最大規模の自動車技術カンファレンスである。トヨタ・マツダ・ボッシュなどの世界的な自動車メーカーをはじめ、IT企業やサービスプロバイダー企業などが参加しており、コネクテッドカー関連の最新動向を語り、有益な事例をカンファレンスで共有し、新たなビジネス機会を創出する場となっている。 今回、ペンタセキュリティはコネクテッドカーのトータルセキュリティ·ソリューションであるAutoCrypt®(アウトクリプト)を通じて、Best Auto Cybersecurity Product/Solution部門に最終候補に選定された。他にも、トヨタ、日産、三菱自動車が最終候補として登載されているOEM of the Year部門やBest ADAS or Autonomous Product/Service部門など、多様な部門の授賞も予定されている。最終受賞企業は、6月4日のTU-Automotive Detroitで発表される予定だ。 AutoCrypt®(アウトクリプト)は、コネクテッドカー環境全般において発生可能な広範な脆弱性を解決するためのセキュリティソリューションである。電気自動車(EV)と充電スタンド(EVSE)のセキュリティ問題を解決するためのV2G(Vehicle-to-Grid)ソリューションをはじめ、バックエンド・インフラからエンドポイントに至るまで、スマート道路環境の全般に必需的に要求される証明書管理および暗号化を提供するPKI(Public Key Infrastructure)やV2X(Vehicle-to-Anything)などを提供して、製品の優秀性を認められた。 ペンタセキュリティCEOの李 錫雨(リ・ソグ)氏は、「TU-Automotiveなど、新技術をリードする国際カンファレンスやフォーラムがスマートカー時代を実質的に牽引している。スマートカーとスマートモビリティ技術は、生命を左右するため、セキュリティが最も重要な部分である。」とし、「ペンタセキュリティは車両から道路インフラまで、コネクテッドカー環境全般において必要なセキュリティソリューションを統合的に提供し、信頼できるスマートカー環境を構築していく予定だ。」と述べた。 […]
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